雑感

2009年09月30日

●夏休み

 8月は岡山で総選挙に没頭する。300議席を超える大勝で政権交代。
 卒論にむけて原武史著の鉄道に関する著書、『「民都」大阪対「帝都」東京―思想としての関西私鉄』(講談社・講談社選書メチエ・1998年)、『鉄道ひとつばなし』(講談社・講談社現代新書・2003年)、『鉄道ひとつばなし2』(講談社・講談社現代新書・2007年)を改めて読む。
 『「民都」――』は、規制の厳しい私設鉄道条例(のちの私設鉄道法)を避けて、軌道条例にもとづく「軌道」として標準軌で開業した阪急や阪神など関西私鉄をよく描いている。NHK教育テレビ「知る楽」で6~7月に放送された「鉄道から見える日本」の下敷きになる本。

2009年06月30日

●前期

 最終学年になって講義が少ないので、卒論や読書に集中する絶好の環境なのだが、学生自治会の課題解決に執行部と努力するなど、学業以外で大学に通う毎日を送る。
 そんななか、佐藤優著の『テロリズムの罠 右巻――忍び寄るファシズムの魅力』と『テロリズムの罠 左巻――新自由主義社会の行方』(ともに角川学芸出版角川oneテーマ21・2009年)を読む。著者は、アメリカ合衆国という表象にすべての国民を糾合しようとするオバマ大統領の姿勢に、政党政治を否定してファシズムにつながる危険な要素を感じている。さらに最近ブームの『蟹工船』に、同じプロレタリア文学でも葉山嘉樹の『海に生くる人々』を対比する。『海に生くる人々』は講義で読んだので、先生が選んだ意図を改めて考える。
 木田元著『なにもかも小林秀雄に教わった』(文藝春秋文春新書・2008年)は、著者の半生が読書体験とともに語られていて興味深い。

2009年03月31日

●春休み

 2009年は年越し派遣村のニュースから始まった。これまでつづいてきた請負・派遣などの非正規雇用の実態を日比谷公園を舞台に多くの人々に可視化した意味は大きい。期末レポートを書くために堤未果著『ルポ貧困大国アメリカ』(岩波新書・2008年)、しばらくして湯浅誠著『反貧困―「すべり台社会」からの脱出』(岩波新書・2008年)を読む。
 人間関係など個人のもつ溜めが急速に失われ、セーフティーネットが機能しないことで、失業=路上生活のような社会になっている。この溜めの重要性は、失業だけでなく様々なドロップアウトにおいて同様であると、私自身の不登校の体験から大いに共感した。
 大下英治著『渡辺美智雄の総裁選』(徳間文庫・1989年)を読む。やはり一党支配時代の自民党には総理総裁をめざす階段や道があったと感じる。だがリクルート事件による棚からぼた餅で誕生した宇野・海部両政権から、最近の安倍・福田・麻生政権につながる政権担当能力の劣化が顕著になる。そして1989年参院選の与野党逆転によって一党支配自体が終焉して連立時代を迎えるのだ。
 司馬遼太郎賞受賞式を兼ねる菜の花忌シンポジウムを聴くこともあったので原武史著『昭和天皇』(岩波新書・2008年)を読む。やはり昭和を歴史として検証するには年月が必要なのだろう。宮中祭祀に皇太子時代を含む戦前の昭和天皇が必ずしも熱心でなかった事実を知る。
 気になっていたスティーヴン・ソダーバーグ監督の映画「チェ28歳の革命」と「チェ39歳別れの手紙」(ともに2008年)をまとめて観る。キューバ革命までを描いた「28歳の革命」のほうに興味を抱いた。
 エルサレム賞受賞記念講演を掲載した毎日新聞記事で紹介されていた村上春樹著『アンダーグラウンド』(講談社・1997年)を読む。地下鉄サリン事件の被害者から聞き取ったノンフィクション。最も印象に残ったのは多くの被害者が体調がよくないと感じながら勤務地まで通勤をつづけたことだ。
 中川右介著『カラヤンとフルトヴェングラー』(幻冬舎新書・2007年)を読む。主役はベルリン・フィルハーモニーの指揮者だが、ナチスの盛衰が背景にある。ナチス・ドイツといえばブライアン・シンガー監督の映画「ワルキューレ」(2008年)を観る。ヒトラーと全面対決するのではなく、ヒトラー暗殺後にヒトラーの意志に従うかたちでドイツ国家を方向転換しようとするクーデター実行中のせめぎあいが興味深かった。

お知らせ

2009年07月29日

●菅直人の子「就職し結婚」、三木武夫の孫「有権者に」

朝日新聞大阪本社版2009年7月29日
  
 民主党の菅直人代表代行(62)の長男、源太郎(36)が暮らす京都市のアパートに5月26日深夜、突然の来客があった。岡山2区の民主前職、津村啓介(37)だった。
 源太郎は過去2回の総選挙で岡山1区から立候補し、落選。今は京都精華大学4年生として、日本思想史を学ぶ。1区の落選者と2区の当選者が6畳一間で語り合った。
 「また一緒にやらないか」。津村は3度目の挑戦を持ちかけた。だが、源太郎は「来春には東京で就職して結婚する」と答え、出版・調査会社の名を挙げた。
 津村は「(父の)直人さんへの複雑な感情を吹っ切ったようだった」と振り返る。以前は、父をいつも強く意識しているように感じていた。
 中学で不登校になった源太郎は大検に合格後、「子どもの権利条約」の批准を求めるNGO活動に取り組んだ。政治家にと見込んだのは、直人の元秘書で、岡山市議の羽場頼三郎(60)だった。
 「息子としては一議席でも増やさにゃ」と、候補者のなり手がなかった岡山1区への出馬を口説いた。
 岡山市北部が菅家の本籍地。先祖代々の墓がある。羽場は「『菅』の名前が欲しかった」と打ち明ける。
 出馬を決めたのは、公示約4カ月前の03年6月。不安はあったが、羽場らの誘いに乗る決心をした。父からは「そうか、がんばれ」とだけ言われた。
 相手は自民党の3世議員、逢沢一郎(55)。途中から「父、菅直人」を連呼したが、約4万票差で負けた。
 2度目の挑戦に向けて活動を続け、父から「ポスター張りはメリハリをつけろ」など、指南も受けるようになった。しかし、郵政民営化をめぐる「小泉劇場」の逆風もあり、05年の得票は、前回を2千票以上も下回った。
 2年かけて票が減ったことは、こたえた。「政治家の家族は、知名度もあり出馬へのハードルは低い。しかし、その後、親の名前に乗った甘さがどこかに出る」。自分を見つめ直すため、落選の半年後、大学へ入学した。
 大学が夏休みの8月、津村の頼みもあり、民主党岡山県連の手伝いをする。だが、当面政治家を目指すつもりはない。「きちんと就職し、仕事を通じて普通の人の政治参加が少しでも身近になるよう貢献したい」
<後略>

2009年04月28日

●Rights結成9周年記念学習会のご案内

 選挙権・被選挙権年齢の引き下げと政治教育の充実をつうじた若者の政治参加をめざして、2000年にRightsを結成してから9年を迎えます。昨年10月には新刊本『18歳が政治を変える!~ユース・デモクラシーとポリティカル・リテラシーの構築~』(現代人文社刊)を出版して、国内外の実践事例を紹介するなど今日の到達点と課題を明らかにし、この変化が私たちの社会と政治にどのような意味を持つかを世に問いました。
 法制審議会が18歳成人について両論併記の中間報告をまとめるなど18歳選挙権が正念場を迎えるなか、本出版を契機に世代間格差と若者政策の理解が広がっています。私たちは結成9周年を記念して、スウェーデンの若者団体LSUを紹介するなど若者政策の第一人者で、法制審議会民法成年年齢部会委員など国の審議機関で積極的に政策提言している宮本みち子さん(放送大学教授)をゲストに迎え、若者政策について日本の現状と課題、海外の事例、今後の方向性などを意見交換するため下記のイベントを企画しました。ぜひお誘いあわせのうえご参加ください。

【日時】5月16日(土)15:00~17:00(受付14:45)
※13:00~14:00は同会場で2009年度通常総会を予定。

【場所】東京ボランティア・市民活動センター会議室B
JR・地下鉄飯田橋駅徒歩2分/TEL:03-3235-1171
新宿区神楽河岸1-1セントラルプラザ10F

【ゲスト】宮本みち子さん(放送大学教養学部教授)
 1947年生まれ。専門は青年社会学。社会学博士。日本をはじめ先進諸国の若者問題と若者政策研究に従事。著書は、『若者が《社会的弱者》に転落する』洋泉社、『格差社会と若者の未来』同時代社、「若者政策の展開―成人期への移行保障の枠組み―」『思想』No.983,2006、訳書は、ジル・ジョーンズ・クレア・ウォレス著『若者はなぜ大人になれないのか:家族・国家・シティズンシップ』新評論など。

【参加費】1,000円(学生500円)

<主催・お問い合わせ>
特定非営利活動法人Rights(ライツ)
〒104-0061 東京都中央区銀座8-12-11第2サンビル5階 ㈱第一総合研究所内
TEL&FAX:03-3248-8208

<お申し込み>
お名前(ふりがな)、職業・所属、TEL、E-Mailをご記入のうえ、こちらから5月15日(金)までにお申し込みください。当日参加も可能です。