●大きな政治
文芸春秋6月号の麻生太郎と与謝野馨による「<救国提言>『大きな政治』にかえれ」を読む。気になったのは与謝野が「官僚は志の高いグループ」といい「政治主導というと書類の句読点にまで因縁をつけることだと思う政治家がい」て「官僚の士気を高め」るには「逆効果」だと述べている点だ。
文芸春秋5月号で霞ヶ関キャリア官僚を離れた高橋洋一東洋大学教授の「『官僚帝国』の反逆者と呼ばれて」を読むと、いかに与謝野の認識が甘いかが分かる。高橋は霞ヶ関用語のワナとして政策金融機関の民営化をめぐる表現をとりあげ、持ち回り閣議に諮られた法案で「完全民営化」が「完全に民営化」と変更されていた事実を紹介している。父もかつて厚相として製薬企業への天下りの禁止を決めたとき、記者会見で配布された資料には勝手に「当面の間」との言葉が追加されていた。
「大きな政治」=「官僚に都合のよい政治」になる心配が大きいのではないか。麻生や与謝野への擬似政権交代では「官僚内閣制」を変えられない。