民主党の課題
官房長官から代表代行として民主党に戻った仙谷由人衆議院議員が「AERA」1月31日号でインタビューに答えている。なかでも注目したのは仙谷議員が「民主党はいま政策を持って住民の中に入っていくことが弱くなっている」として、「新しい公共」を例に与党としてすすめる改革的政策の地域運動化を今後の課題に挙げたことだ。すでに党内には「新しい公共推進本部」「一人ひとりを包摂する社会実現活動本部」など、運動をすすめる体制がつくられつつある。
400名の国会議員を擁する政権交代後の党運営は試行錯誤がつづく。一番の課題は政策決定過程だ。内閣と与党が「二元化」した自民党政権への反省から「一元化」をはかっているが、法改正による増員が実現しない大臣・副大臣・政務官の政務三役に業務が集中する一方、野党時代に多用できた国会質疑は時間が限られ、質問主意書は禁止されている。
09年9月の鳩山政権誕生とともに廃止された政策調査会は、10年6月の菅政権誕生で復活して党内論議は活発化したが、最終決定は内閣(政務三役)が担うため「提言」にとどまる。さらに10年9月の内閣改造で政務三役から党に戻った議員を中心に、内閣と与党の政策が大きく食い違わないよう「提言」を実現可能な内容にするため、自分の意見が反映しない議員の戸惑いや不満が蓄積している。
日本が議会制度の手本にする英国で、内閣や党の役職つかない議員はバックベンチャーと呼ばれ、基本的には「採決要員」である。日本でバックベンチャーの能力や意欲を活用する仕組みは「事業仕分け」の調査員などにとどまっている。今後は政務三役の不足を補うため、首相特命チームや政務三役を長とする検討チームへのオブザーバー起用を広げてほしい。すでに「一人ひとりを包摂する社会」特命チームに辻元清美衆議院議員と松浦大悟参議院議員、枝野幸男行政刷新担当大臣(当時)が設置した行政透明化検討チームに本多平直衆議院議員が参加している。オブザーバーの増員にはマネージメントを専任で担当する首相補佐官級の国会議員が必要になるだろう。
だが仙谷議員が述べるように政党の役割は政策立案だけではない。自治体議員や潜在的な議員候補である一般党員(活動家)を含めた政策運動の担い手が求められる。担い手が不足する現状に象徴される民主党の課題をひきつづき考える。
